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2009年 12月 10日
今月のつれづれ紀行(歴史散策)は飯能の高麗郷を訪ねました。師走でもあるので、
日にちを早めての散策です。 奈良時代の初め東国在住の高句麗人が奥武蔵国に移され高麗郷が置かれました。 明治元年の群政によると、現在の日高市、鶴ヶ島市の全域、と飯能市、狭山市、入間市、 川越市の一部にまたがる範囲だったそうです。 明治29年入間郡と合併したため、高麗郡の名は廃されました。 ヤマト朝廷は渡来人の農業や鉄製の技術を利用して、開発に取り組み、蝦夷に対する 防衛の地として、武蔵国を位置づけていたと思われます。 コース 横浜~関越自動車道~鶴ヶ島JCT~狭山日高~飯能資料館~能仁寺~聖天院 ~高麗神社~高麗家住宅~横浜 能仁寺 曹洞宗のお寺で室町時代中期に当時の飯能地方の領主中山家勝が僧を招いて小庵を 開いたのが始まりです。 その子、家範が父の冥福を祈るために、本格的な寺院として創建しています。 そののち徳川将軍家の庇護のもとに、禅道場として発展し、七堂伽藍を備えた末寺20 数ヶ寺に及ぶ繁栄ぶりを誇ったそうです。 しかし明治維新の時に起こった「飯能戦争」の舞台となり、殆どを焼失してしまいました。 そして昭和9年本堂再建が始まり、2年後に完成しています。 庭園(池泉鑑賞蓬莱庭園)・・・桃山時代に」作られた庭園です。 日本名園百選に入り東日本の代表的な庭園です。 高句麗 高句麗は東北アジアでいち早く国家を形成した騎馬民族です。 広大な土地を領有し半農半牧の生活を営んでいたといわれています。 中国からもたらされる文化をいち早く受容し独自の文化を築き上げて、国土を広げ427年に 首都を平壤(ピョンヤン)に移し最盛期を迎えています。 若光 隋や唐が高句麗遠征をしても、堅く守っていた強い高句麗が内紛によって滅亡して しまいました。 国家の危急に救いを求めて、外交使節として日本へ訪れた若光は 故国の土を踏むことができずに、渡来してきた人たちとともに、進んだ技術や豊富な知識を 伝え、律令国家建設に貢献し尽力しました。 朝廷からは「王(こきし)」の姓を与えられ、大和朝廷の官人として仕えたと伝えられています。 高麗郷の初代郡長となったのが若光でした。 その王若光をお祀りしているのが、聖天院です。 聖天院 奈良時代に高句麗より渡来した高麗王若光の菩提寺。 創建当初は(751年)、法相宗の道場でしたが、若光の守護仏聖天尊を本尊として、 1345年に真言宗に改宗されました。 平成12年に裏山山腹には総欅作りの本堂が、西方山腹には在日韓民族無縁仏慰霊塔が 在日有志の厚志によって完成しました。 若光の墓と伝えられる高麗王廟…左上 慰霊塔…右下 韓国では狛犬ではなく、羊が置かれています。 高麗神社 高句麗からの渡来人若光を祀った神社です。 若光は東国7か国の高句麗人1799人が武蔵国に移され高麗郷が作られた時 その郷の長となって郡内の高麗人をよく指揮し、未開の土地を開発し、自国に帰ること なくこの地で波乱の一生を終えています。 代々子孫が宮司を務めています。 高麗家住宅…入母屋造りの茅葺き、柱は手斧で仕上げられています。 しかし風が入って寒いそうです。 お寺によって仁王さまも感じが違います。 能仁寺の仁王様 聖天院の仁王さま 紅葉 お寺や神社には名残惜しげに紅葉が残っていました。 どのお寺や神社も広くて、ゆったりと見学できました。 今回の散策で高句麗滅亡とともに日本に渡ってきた多くの人々が、大陸の進んだ 技術や、政治制度、学問などの多くの文化を、日本に伝えてくれた恩人だった、 即ち日本を進んだ国へと導いてくれたということが分かって、とてもよい勉強に なりました。
by sasakikey
| 2009-12-10 22:18
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